Clinical Question:喘息最新治療
・気管支喘息患者は日本では約1000万人(人口の約8%)で、そのうち
5~10%が重症喘息といわれる。
・喘息の治療目標は喘息症状をなくすことである。
治療は、長期管理薬と増悪治療(短時間作用型β2刺激薬)に分けられる。
長期管理薬を適切に使用し、増悪治療に頼りすぎないことが重要である。
・喘息診療ガイドライン2023では、臨床的寛解基準が示された。
1.ACT(喘息コントロールテスト)が年間通して23点以上であること(25点満点)
2.1年以上喘息増悪がないこと
3.定期薬としての経口ステロイド薬が1年間使用がないこと
これらの基準が達成できた場合は、次の目標として、呼吸機能を評価し、問題なければ臨床的寛解として治療終了を検討しうる。
<まとめ>
・中容量ICS/LABAが治療開始の基本だが、症状が強い患者などではトリプル製剤で開始すること
もある。
・初期治療で改善が乏しければ、他疾患の鑑別を含めた専門医受診を推奨する。
・近年は経口ステロイドで粘ることはよしとせず、生物学的製剤の積極的導入が望ましいとされる。
ゆみのクリニック渋谷桜丘
宮川 英恵