心臓病予防アクション:運動編

心臓病予防2024年07月26日

心臓病予防における運動や身体活動増加は、健康維持と病気予防のために重要な役割を果たします。運動は血圧を下げ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減少させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる効果が証明されています。運動することで、血管を保護する物質の生成が体内で促進され、動脈硬化の進行を遅らせ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減することもわかっています。さらに、運動は体重管理に寄与することは言うまでもなく、がんや糖尿病の予防にも繋がるのです。

運動療法の具体的な指針として、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性とバランスのトレーニングが推奨されています。有酸素運動は心肺機能を高めるために最適で、週に少なくとも150分の中等度の運動(心拍数や呼吸数が上昇し、軽く汗をかく程度の運動)が推奨されます。具体的には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが有効です。毎日30分でもよいですし、週末土日の60分程度でもいいですね。筋力トレーニングは筋肉量を増やし、基礎代謝を高める効果があるだけでなく、体幹を維持することで怪我の防止にもなります。週に23回の頻度で主要な筋肉群を対象にした8-12回の繰り返し運動を行うことが推奨されています。柔軟性とバランスのトレーニングも重要で、ヨガやストレッチング、太極拳などが効果的です。

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運動を継続するためには、楽しみながら行うこと、現実的な目標を設定すること、仲間と一緒に運動することなどがポイントです。私も自分の生活に筋トレやジョギングを取り込んでいますが、やはり無理しない範囲、笑顔で終われる程度でやるのがよいですよね。これにより、運動を生活の一部として取り入れ、無理なく継続することが可能になります。

このように、運動療法は心臓病予防において欠かせない要素だけでなく、健康寿命の延伸にも繋がることが多くの研究で明らかになっています。是非、バランスよく運動習慣を取り入れることで心臓病のリスクを低減していきましょう。
こちらの「心臓病予防コラム」では、引き続き心臓病を予防するためのポイントや、心臓病の発症メカニズムなどを通じての予防行動の重要性を解説していけたらと思います。



医療法人社団ゆみの
循環器予防医療部 部長

土肥 智貴

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