Clinical Question:呼吸療法の工夫
吸入ステロイド(ICS)、長時間作動型β2刺激薬(LABA)、抗コリン薬(LAMA)は、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の標準的治療薬として広く使用されている。
しかし、そのアドヒアランスは降圧剤などの内服薬と比較して、極めて悪く、背景には治療継続の意義、吸入デバイスの理解、認知機能、経済的側面などが複雑に関与している。
在宅、外来診療で大切なことは、医師、薬剤師、看護師、ヘルパー、家族などが何度でも繰り返し手技を教え、患者自身が吸入継続による症状改善、増悪防止の実感を得ることである。
また、エアロゾルタイプ(pMDI)、ドライパウダータイプ(PDI)、ミストタイプ(SIM)といった個々の吸入デバイスの特徴を、医師、薬剤師を中心にきちんと把握して、練習デバイスを実際に使用するなど、個々の患者に合うと考えられる種類を選び、ダメなら変更して再度指導するといった、根気強い対応が求められる。
昨年発足した日本喘息学会のHPでは、「ホー吸入」という名称で、より効率的に吸入を行うことができる吸入法を提唱し、さらには各デバイスの吸入法を動画で解説しているので、ご覧になると参考になると思う。https://jasweb.or.jp/
ゆみのハートクリニック
臼井 靖博