Clinical Question:高齢者のカフェイン摂取~先生、私はコーヒーやお茶は何杯飲んでも良いのですか?~
- コーヒー摂取による、心血管系疾患抑制効果、癌抑制効果などが多数の研究により明らかになっている。
- コーヒーは抗酸化作用を有するポリフェノールを始めとした様々な成分が混在した飲料であり、カフェインの有害作用を打ち消すのかもしれない。
- 生理機能が未熟な子供のカフェイン摂取量は成人のそれよりも少ない量を設定されている。一般的に生理活性が低下している高齢者に関しては研究が不十分である。
- カフェインによる中枢神経系の有害作用(不安や不眠)、利尿作用が強く表現される可能性があり、摂取量の設定は慎重になってもよいかもしれない。
- コーヒーならば400ml以下(カフェイン 240mg相当)が適量。お茶では1.2L相当、紅茶では0.8L相当となる。
カフェインの効果は個々人によって著しく異なるため、健康に及ぼす影響を評価することは困難です。健康成人において、適量のカフェインは集中力の向上や疲労感の減退といった効果がみられますが、一方、循環器系への影響、不安の増強、不眠などの悪影響をもたらします。カフェインの子供や妊婦、高齢者への影響は決して無視することはできません。
ゆみのハートクリニック
工藤雅人