Clinical Question:原発性アルドステロン症(PA) 再考 ー診療ガイドライン2021 何が変わったか?ー
原発性アルドステロン症診療ガイドラインが2021年9月に発信されました。もうすでに半年以上が経過しましたが、改めてこの場で主要な変更点のみお示しします。
原発性アルドステロン症に関する診療に際しては、2016年に原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサスステートメントが出ていてこれまではそれに準じて診療していました。
原発性アルドステロン症は
① 治癒可能な二次性高血圧
② 高血圧疾患の中でその頻度が従来想定されたより高頻度
③ 治療抵抗性高血圧の原因
④ 標的臓器障害の頻度が高い
などの特徴があります。
二次性高血圧の中では、最も多い疾患になります。
最初に健診などで高血圧を指摘された時には、以下に該当する場合は二次性高血圧の鑑別が必要とされています。
- 低カリウム血症合併(利尿剤投与例も含む)
- 治療抵抗性高血圧
- 40歳未満での高血圧発症
- 未治療時150/100mmHg以上の高血圧
- 副腎腫瘍合併
- 若年での脳卒中発症
- 睡眠時無呼吸症候群合併
今回のガイドラインでの診断に関する変更点(スクリーニング検査のみ)
図に示します。上記のような患者さんに対しては積極的に検査をお勧めします。
適切な血圧コントロールを行っていくことで血管合併症の予防につながればと願っています。
のぞみハートクリニック
岡田健一郎