Clinical Question:新たな心不全治療薬:2021 欧州心臓病学会ガイドライン改定

YUMINO education program2021年09月17日

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ESCのガイドラインが5年ぶりに改訂されました。これまでの収縮不全心(HFrEF)に対する治療薬として2016年版ではACE阻害薬/ARB、β遮断薬を最大量投与し、効果不十分の場合にミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を追加、最大認用量まで増量しても不十分な場合にACE阻害薬をサクビトリルバルサルタン(ARNI)へ変更を検討することとなっていました。しかし今回2021年版ではHFrEFと診断された時点からACE阻害薬/ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬(ダパグリフロジン/エンパグリフロジン)の4剤を優先順位をつけずClass1と位置づけ、体液貯留に対してはループ利尿剤を用いることを推奨しています。これら4剤をどのように組み合わせ、どのような用量で用いるべきかについては各々の症例の基礎心疾患や臨床的な特徴を評価し調整する必要があり、循環器内科医の腕の見せ所でしょうか。

 

のぞみハートクリニック

小出雅雄

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