Clinical Question: 食事療法で高血圧は改善する?
- 日本食は塩分摂取量が多く、他国と比較し高めに推移している。
- 近年塩分摂取量はやや低下しており収縮期血圧は低下傾向となっているが、依然として高血圧のリスクとなっている。
- DASH食は降圧効果を期待できる食事で野菜、果物、低脂肪乳製品、全粒穀物を多くとることにより、飽和脂肪酸や総脂肪の摂取量を減らし(魚の摂取やオリーブオイルなどの摂取を積極的に行う)、K、Mg、Ca、食物繊維の摂取量を増やすことを目的とし、収縮期血圧を5.5mmHg低下させると報告されている(N Engl J M 2001)。
- 日本食と類似している点が多く、減塩を組み合わせることでより降圧効果が得られることも証明されている。
- 日本人にとっては、塩分を控え(日本高血圧治療学会2019の6g/dayまで)、伝統的な日本食+オリーブオイル摂取+大豆製品で降圧効果を得られる可能性が高い。
- しかし、海外の論文では対象年齢は40-70歳であり、高齢者への食事療法の降圧効果や予後への影響は今後の課題である。
のぞみハートクリニック
菊地泰基