Clinical Question:心不全と低栄養
- 心不全患者において低栄養は予後を規定する因子であり、フレイルの原因にもなる。
- 心不全による腸管浮腫や食欲不振から低栄養状態となり、代謝の亢進や心臓のエネルギー消費の増加はさらに低栄養状態をまねく。
- 検査値を用いた客観的な栄養状態の評価方法でひろく用いられているものはPNI, GNRI, CONUT scoreである。
- 2020年版の日本人の食事摂取基準は更なる高齢化の進展や糖尿病等有病者数の増加等を踏まえ、栄養に関連した身体・代謝機能の低下の回避の観点から、健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防及び重症化予防に加え、高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定を行っており、フレイル予防事業として『食べて元気にフレイル予防』というパンフレットも作成されている。
<結語>
低栄養は心不全の予後を規定する因子でもありフレイルの原因にもなるため正しく栄養状体を評価し、適切な栄養を摂取する必要がある。しかし、食欲が低下している方に対して必要量の栄養を摂取してもらうようにはどうすればいいのかなどは今後の課題だと考えている。
ゆみのハートクリニック
菅野優紀