Clinical Question:高尿酸血症・痛風の治療指針について
高尿酸血症は、『尿酸塩沈着症(痛風関節炎、腎障害など)の病因であり性別、年齢を問わず、血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるもの』と定義されています。
紀元前から記載されている歴史の古い疾患であり、社会が豊かになった飽食の時代に増加する生活習慣病の一つになっています。
また、痛風は、尿酸結晶が組織に沈着し関節炎を起こした状態であり、高尿酸血症が持続した結果として関節炎が生じるということになります。
高尿酸血症の臨床病型分類として①腎負荷型(産生過剰と腎外排泄低下型を含む)、②排泄低下型、③混合型と3つに大別されます。
尿酸低下薬の選択基準としては、この病型分類に即して尿酸治産生抑制薬と尿酸排泄促進薬を選ぶことになります。
高尿酸血症は高血圧発症における危険因子であることが知れられており、高尿酸血症合併高血圧では尿酸値は心血管イベント発症のリスクとなり得ます。
そのため無症候性高尿酸血症に対する薬物治療として、尿路結石を含む腎障害や心血管病のリスクと考えられる高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの合併症を有する場合は、尿酸値8.0mg/dl以上で考慮し、これらの合併症を有しない場合は9.0mg/dl以上で考慮し、6.0mg/dl以下を目指します。
高尿酸血症・痛風の治療指針について、ガイドラインから引用した図を示します。
(具体的な治療薬についてはここでは割愛させて頂きます)
参考文献
日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会(編)
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン.第3版、診断と治療社、2018
のぞみハートクリニック
岡田 健一郎