Clinical Question:帯状疱疹発症のメカニズムとワクチンの役割
帯状疱疹ワクチンの必要性と有効性の3つのポイント
1. 50歳台から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症し、そのうち2割は帯状疱疹後神経痛を合併する。
2. 特異的免疫の再活性化するため、帯状疱疹ワクチンが考案された。
3. 組み換えサブユニットワクチンは、発症と神経痛に対して高い有効性を認めている。
帯状疱疹は50歳台から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。そのうち2割は帯状神経後神経痛を発症し、QOLを害する要因となります。そのメカニズムは、幼少期に罹患した水痘帯状疱疹(みずぼうそう)ウイルスが神経節に潜伏感染し、加齢などの免疫抑制下で細胞性免疫能が低下すると、ウイルス増殖を抑制できず発症すると考えられています。2020年1月に認可された組み換えサブユニットワクチンの有効性は、帯状疱疹発症に対して97%、帯状疱疹後神経痛に対しては88.8%と非常に高くなっています。筋肉内注射で、接種は2か月以上期間をあけて2回接種することが推奨されています。免疫抑制状態にある高齢者では積極的に接種を検討していきたいと考えています。
ゆみのハートクリニック渋谷
山上 文