オンライン診療にできること オンラインvol.2
本来の医療システムを取り戻すことが当面重要であることは前回のコラムで書かせていただきました。以前のコラムへ >
医療者の視点から受診が必要と判断しても、外出して受診したくないと思っている方が予想以上に多いだけでなく、医療機関としても十分な感染予防の準備ができていない状況で安易には診療できないことも問題になっています。
医療の形は、患者さんが受診に来ないと診療が始まらない、言わば『受け身』です。今は双方『受け身』の状況で、医療システムがうまく回っていません。
話は変わりますが、救急外来では主訴や問診により、その後の診療を効率よく行うためのトリアージが行われます。トリアージの考え方は何も病院の中だけにとどまりません。コロナウイルスが極端に流行していて双方が受け身の状況である現在、我々医療者が患者サイドに歩み寄って適切にアドバイスすることでトリアージを積極的に行っていく必要があります。こんなことを書くと、『オンラインで何がわかるんだ』、『実際診ないと分からないだろ』、そんな声が聞こえてきそうです。もちろん、問診のみですから、決して十分ではありません。私自身、外来、在宅、不整脈治療、そして離島での診療支援など、今でも様々なステージで診療に携わっており、それらが問診だけで終わるなんてとても考えられません。
でも、それはすべて、患者さんが病院を受診すれば、の話です
内科診察の基本は詳細な問診と身体所見ですが、実はそれだけではありません。
病める人が抱えた不安を共有・解消し、導くこと。
問診と身体所見はあくまでもテクニックですが、患者が求めるものはテクニックだけではありません。患者サイドに歩み寄る、その一歩が、今強く求められているのです。
ゆみのハートクリニック渋谷
西原崇創