二人三脚
娘の運動会。親子で二人三脚リレーに出場することになった。
「アンカーになった」とのことでみんなから期待されているらしい。
それは少し練習をしないといけない。
ということで、インターネットで調べてみる。
「子供の利き足ではないほうで、足を結ぶ」
「親が子供の歩幅に合わせ、子供も少し大股で走る」
まず、どうやってお互いの気持ちを確認するかを話し合った。
「イチ、ニ」からはじめてみる。
少し速くなってくると、この、「イチニ」という3文字では、掛け声が長くなるので「イチ」だけにしよう。また少し速くなってくると、「イチ」という2文字が、足の動きに追い付かなくなる。今度は「イ」にしよう。「イ」から「ハ」に変更。すると、呼吸をしながら掛け声もできる。 一石二鳥だ。ついには、「ハ」という一文字ですら、言うのも煩わしくなり、足首の紐の感覚だけで走れるようになった。
さらに速く走るために、どうしたらよいか。
それは二人とも考えることは同じ、「初動」だ。
「はじめの一歩は、足を結んでいる側からスタートしよう」
「はじめの3歩まで、意識して前に出よう」
ついに、娘は、単独で走るより、二人三脚で走ったほうが速くなるまでになった。
振り返ると、二人三脚、というのは、とても面白い。
相手の弱いところから支えはじめ、コミュニケーションを少しずつとっていく。はじめは何文字も言葉を掛け合うが、少しずつ文字数を減らし、最後は言葉を交わさずに、「初動の約束」と、「お互いの感覚」のみで走り続ける。二人三脚を通して、親子でコミュニケーションを学ばせてもらう良い時間になった。
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