非肥満・非喫煙者の低換気を示唆する症例

2025年02月21日

症例

50歳台 男性 身長:171㎝ 体重:68.3kg BMI23.3 いびきを主訴に来院、脂肪肝と逆流性食道炎を指摘されるも内服なしで、飲酒量が多くアルコール依存傾向 のある症例です。

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ESSは11点と日中過眠の症状もあり、簡易検査を施行したところREI=17.8で、診断PSGを行いました。PSG検査時も飲酒されていました入眠期の矢印  部分のSpO2トレンドは、明らかに低換気様に低下を示しました。




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入眠期のSpO2低下は高度で、SpO2値は89~90%で推移していることがわかりました。2つのdesaturationがマークされていますが、これらは呼吸イベントによるものではなく、アルコール摂取による筋弛緩作用が原因の低換気を示す病態と思われます。AHIは23.2ですが3%ODIは28.2と高く、それも低換気の存在を示唆しています。ただBMIは低値で、34年前に禁煙したとのこと、終夜SpO2のベース値は低く、アルコール以外の低換気の原因を突き止める必要があります。




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ノンレム睡眠仰臥位時の呼吸イベントの判定に悩むPSG波形です。3%のdesaturationは認めますが、気流振幅の低下は不明瞭です。ただdesaturationに対応した部分(下線)の鼻圧波形はサイン波様に変化して、呼吸努力波形は位相が若干ずれているように見えます。このような低呼吸波形は閉塞性か中枢性か悩むところですが、呼吸度量波形の変化から、閉塞性と判定しました。





ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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