非肥満でも高度なdesaturationを認めた女性 OSA症例

2025年02月07日

ゆみのPSGケースカンファは、毎週金曜日に法人各拠点をオンラインでつなぎ、川名ふさ江睡眠検査統括を中心に、医師、 臨床検査技師(うち日本睡眠学会専門検査技師5名)で一週間の全ての終夜睡眠ポリグラフ検査の振り返りを行い、今後の方針を決めていきます。 こちらにはその週の代表的な症例を公開し、川名統括による症例コメントを記していきます。

症例
50歳台 性 身長:164㎝ 体重:56.4 kg BMI:20.8 ESS:3 健診で心電図異常を指摘され家族からいびき無呼吸の指摘もあって精査希望で来院されました。

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眠困難があり眠剤(ゾルピデム)を常用されています。簡易検査を2日間施行REI=15とREI=31.3の結果で、診断PSGを行いました。AHI=29.6回/時間と簡易検査とほぼ同様の結果となりました。上のトレンドグラフからは体位依存性が明瞭で側臥位で入眠後、仰臥位になると呼吸イベントが出現、ノンレム睡眠でも酸素飽和度が49%まで低下しました。後半は仰臥位のレム睡眠も記録されていますが、そこまでのdesaturationは認めていません。 

 



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ノンレム睡眠の仰臥位時に認めたSpO2最低値:49%を記録した閉塞性無呼吸の波形です。確かに持続時間は長く、90秒から100秒でしたが、極端なdesaturationの数値にはかなり違和感がありました。この方はゾルピデムを常用されており、PSG時も服用されました。眠剤による覚醒閾値の上昇が呼吸イベントの持続を長くした可能性は否定できず、SAS症例の眠剤使用には注意が必要と思われます。 





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Desaturationと体位の関係でも、興味深い所見がありました同じ側臥位でも右側臥位は全くdesaturationを認めずSpO2値は安定していますが、左側臥位のときは、明確な呼吸イベントを認めずにdesaturationが生じていましたもしかすると、左手に装着されたパルスオキシメータが左側臥位時に圧迫されて生じた、アーチファクトの可能性も否定できません。 







ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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