高度BMI+超重症OSAのため簡易検査でCPAPを導入された症例
症例
30歳台 男性 身長:173㎝ 体重:123kg BMI:41.1 高血圧で他院にて治療中、過剰な日中の眠気(ESS=22)を自覚、いびきの指摘もあり、本年6月交通事故を起こしている症例です。
SASを疑われて、簡易検査を施行、REI=80.5回/時間の結果で本年10月にCPAPを導入されました。しかし使用率46.6%、使用時間は1.2時間とCPAPのアドヒアランスは不良でした。改めて睡眠の状態も含め評価することで病識を高めることを目的に、診断PSGを行いました。
BMI:41.1と高度肥満があり、呼吸イベントに伴うdesaturationの最低値は63%と低値でしたが、呼吸イベントの大半は閉塞性低呼吸でした。そして覚醒反応指数はAHIより少なく、睡眠周期も保たれています。若年SASによくみられる病態です。起床時の感想もよく眠れたとのこと、CPAPアドヒアランス不良の要因がうかがえました。CPAP導入済みの症例は、CPAPの持越し効果を避けるため、5日間はCPAP使用を中止して、診断PSGを行っています。ところが本症例はPSG施行前日に追突事故を起こしてしまいました。ここで問題となったのは、5日間のCPAP中止です。もともとアドヒアランス不良で、そのことが事故の主原因とは言えませんが、今後の対応として、ESSが高く、仕事で車の運転をする可能性の高い症例は、CPAPを中止せずに診断PSGを行うこととしました。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江