呼吸イベント終了時に生じるPLMはCPAP治療でどうなる?の続報

2024年12月20日

症例

50歳台 女性 身長:152㎝ 体重:67kg BMI:29 コロナ罹患後後遺症にて来院、いびきと熟眠感の欠如と起床困難、日中過眠もあるとのことで、簡易検査施行したところ、REI=25.9回/時間であったため、診断PSGを行いました。

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Desaturationは軽度ながらAHIは65.1回/時間と超重症の結果でしたしかし3%ODIは34回/時間とAHIの半数でした。PLMは全く判定されていません。


Desaturationを伴わない呼吸イベント波形 

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周期的に閉塞性低呼吸が判定されていますが、desaturationを伴わず、必ずLMを伴っていることがわかります。もしかするとこれらは呼吸イベントではなく、PLMの可能性も否定できません。実際にビデオ画像はPLMと同じ動きを示していました。ただ呼吸努力センサの振幅が変化していることが呼吸イベントと判定した根拠となっています。CPAPタイトレーションで、これらのLMが消退するのか、ぜひ見極めていきたいと思っています。以上は10月25日の今日のPSGのコピーになります。 




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今回はCPAPタイトレーションを行いました。残存するAHIは1.6回/時間と呼吸イベントは見事に治療できました。ところがトレンドからもわかるように、中途覚醒が多く、覚醒反応指数は40.8回//時間、PLM指数は14.9回/時間、PLM with arousalは14.9回/時間とPLMが顕在化した結果となりました。ご自身もCPAPを使っても熟眠感の改善は実感されていません、ただ睡眠の分断がPLM出現時とは異なるため、CPAPに慣れていただくことを優先して治療圧を下げて、PLMは経過観察となりました。 




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CPAP治療で顕在化したPLMと覚醒反応です。これらの所見から判断すると、診断時のAHI(65.1回/時間)はPLMを低呼吸と過剰判定した可能性も否定できません。 




ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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