いびきのレーザー治療を求めて耳鼻科医に相談、無呼吸を調べることが優先として当院に紹介された症例
症例
60歳台 男性 身長:161㎝ 体重:60kg BMI:23.1 20歳台から家族にいびきを指摘され、妻とは別室で就寝、40歳代でOA作成するもいびきに効果なく中止、定年退職を機会に妻との旅行のためいびきのレーザー治療を求めて耳鼻科に相談したところ、無呼吸の重症度を調べてからにしたほうが良いと当院に紹介されました。ESSは10点でした。
簡易検査ではREI=18.6(飲酒なし)REI=33.9(飲酒あり)と飲酒ありでは重症のOSAを認め、CPAP治療目的に診断PSGを行いました。PSG施行時は飲酒なしでしたが、体位に無関係に呼吸イベントと盛大ないびきが記録されています。AHI=36.3回/時間でしたが、同じ右側臥位でも呼吸イベントが抑制された時間帯があり、うつ伏せに近い右側臥位では呼吸イベントが抑制されたようです。
第1睡眠周期にわずかに認めた安定呼吸ですが、いびきは高度です。ビデオ画像では布団をかけているのでわかりにくいですが、右側臥位でかなりうつ伏せに近い体位になっています。
0時半頃の波形です。ビデオ画像は同じ右側臥位でも先ほどより真横に向いています。そしてDesaturationを伴う閉塞性低呼吸が出現しています。真横でも呼吸イベントは抑制できず、うつ伏せに近くなるとやっと抑制できているようです。その意味では通常の体位依存性とは異なる印象でした。
この症例は、いびきは指摘されても無呼吸は指摘されておらず(奥様とは別室で就寝されているため)、いびきのレーザー治療を求めて耳鼻科の先生を受診されています。耳鼻科医の的確な判断のおかげで無呼吸が診断でき、無意味なレーザー治療を受けずに無呼吸治療に直結できたことは、何よりの結果だといえます。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江