SAS判定目的のPSGで高いRWA率を認めた症例
症例
50歳台 男性 身長:1649㎝ 体重:64kg BMI:23.8 1か月前から家族にいびきを指摘され、就寝中に咽ることもあり当院に来院、ESSは18点でした。簡易検査ではREI=30.4と重症のOSAを認め、CPAP治療目的に診断PSGを行いました。
終夜仰臥位で盛大ないびきが記録されています。AHI=36.3回/時間でしたが、同じ仰臥位でも呼吸イベントが抑制された時間帯があり、体幹が仰臥位でも頭位を横に向けることで呼吸イベントが抑制されたようです。最下段はRWAを判定したエポックを示しています。RWA率は17.1%で、RWAは頤筋の筋電図増高のみで判定しています。ただビデオ画像では異常行動は認めていません。
RWAを判定したエポックの波形です。レム睡眠に呼吸イベントが混在すると、呼吸イベントに伴う覚醒反応で筋電図も増高するため、RBDの診断は無呼吸治療下で行うべきと言われています。RWA判定には上肢の筋電図情報も必要です。本症例は睡眠時の異常行動の訴えはなく、今回のRWA率=17.1%が本当に有意な数字なのかは、やはりCPAPタイトレーションで、上肢筋電図を装着したうえでの再検討を待つ必要があります。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江