OA効果判定2回目の結果から見えてきた病態変化
症例
40歳台 男性 身長:169㎝ 体重:70.8kg BMI:24.9 9年前に当院でSAS(AHI=34.2)と診断されOAを作成、効果判定PSGでは残存AHIは5.5回と著効。今回OA再作成のため、再度効果判定を希望されてPSGを施行しました。
その結果、残存AHIは15.6回と効果は減少、睡眠のパラメータもすべて悪化した結果となりました。9年前のOA効果判定時より体重は3kgの増加があり、また加齢に伴う無呼吸重症化の可能性もあります。ただ今回は3%ODIが21.1回とAHIよりかなり高値となり、気流振幅の低下を認めない部分でSpO2がたびたび低下を示していました。そして後半の心拍トレンドからは著明な心拍変動が認められています。重症のOSAであれば覚醒反応時の心拍上昇がこのようなトレンドを示すのですが、覚醒時や呼吸イベントも覚醒反応もないところで、この変動は記録されていました。
覚醒時の2分画面ですが、HRのチャンネルでは、周期的な心拍上昇が認められます。
前画面の30秒波形です。心電図波形はP波が観察され、PACの連発のようにも見えますが、洞性不整脈の可能性もありそうです。 もしかすると3%ODIがAHIより高値だった理由は、この不整脈が原因かもしれません。心房細動のような絶対性不整脈は、パルスオキシメータの不得意とする部分で、SpO2測定値が正しく表示されなかった可能性も否定できないと思われます。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江