脳波に左右差をみとめ、低換気で修飾された呼吸イベント波形を持つ症例

2024年10月04日

症例

70歳台 性 身長:158cm 体重:59Kg BMI:23.6 ESS:11 血圧測定で脈が不整と出て、またいびきと口渇感も気になり来院されました。

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易検査施行、REI=15.5回/時間、最低SpO2は82%で、診断PSGを施行したところ、AHI=16.9回/時間、最低SpO2値:85%と簡易検査と同等の結果でした。 



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N2の睡眠脳波ですが、F4,C4に徐波の混入を認め、陽性の棘波が6回(赤下線)記録されています。 



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入眠後に生じたdesaturationは気流振幅の変化に対応しておらず、腹の呼吸努力センサだけがdesaturationと相関しています。 




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レム睡眠時の呼吸イベントですが、イベント終了時の覚醒反応や呼吸努力センサの振幅増大は一致しているのですが、なぜか気流センサは遅れて振幅が増加しています。レム睡眠時の低換気がこの奇妙な気流変化に関係しているのではと考えています。次の波形で示すように、もともと低換気の病態も示唆される症例でした。 



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ノンレム睡眠の安定呼吸時ですが、SpO2は90%で推移しており、中等度のAR(大動脈弁閉鎖不全症)40年間40本/日の喫煙歴(15年前禁煙)が影響して低換気の病態もあるものと考えられます。 

 



ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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