CPAP使用率100%でもEDSが残存する症例
症例
40歳台男性 身長:179㎝ 体重:115Kg BMI:35.9 2023年にいびきと日中過眠を主訴に来院、降圧剤服用中。
診断PSGで重症OSA(AHI=90.7回/時間)と診断され、CPAP治療を開始、アドヒアランス良好(使用率、4時間以上の使用率ともに100%)でも、日中の眠気が残存するため、今回CPAPの効果判定目的にタイトレーションPSGを行いました。ほぼオート設定(4-12㎝H2O)での残存AHIは5回/時間でした。CPAP装置からのダウンロードデータではAHIはわずか0.2回/時間であり、この乖離も気になるところです。CPAP圧トレンドから圧が頭打ちであることがわかり、治療圧を6-13㎝H2Oに変更予定です。
もう1点EDSの原因と思われるのは、覚醒反応指数が依然として高値(覚醒反応指数:29.5回/時間)であることです。波形からはPLMもなく呼吸イベントもない状態で覚醒反応を認め、睡眠の分断が残存していました。覚醒閾値が低下していると思われ、眠剤の使用も検討したほうが良いかもしれません。ただ眠剤の持越しでEDSがさらに悪化する可能性も否定できません。CPAP使用中の残遺眠気については、モダフィニルなどの薬剤も保険適用となっていますが、そのためにはMSLT(反復睡眠潜時検査)という客観的な眠気を評価する検査が必要となります。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江