体位により不整脈の出方が異なった症例
症例
60歳台男性 身長:169cm 体重:65.8Kg BMI:23.1 他施設でSASと診断されてORAP使用中だがREI=14と残存。人間ドックで上行性大動脈瘤と大動脈弁閉鎖不全を指摘され、CPAP治療目的に診断PSG施行しました。
ノンレム睡眠では体位依存性が明瞭なOSAでしたが、レム睡眠では側臥位でも閉塞性低呼吸を認めました。呼吸イベントを認めない時間帯のSpO2は93%前後で推移しています。これは心機能低下に起因すると思われます。興味深いことに、記録開始から3分1と朝方の3分の1は左側臥位で、その体位の時に集中して不整脈を認めました。朝方の不整脈は頻度も高く、連発や一過性の心房細動波形様に見える部分もありました。
朝方のレム睡眠時に記録された不整脈です。PACの連発や矢印部分は、一過性の心房細動のようにも見えます。
なぜ右下では不整脈を認めず、左側臥位で不整脈が出現したのでしょうか?その理由は、右側臥位では交感神経が抑制される傾向があり、不整脈も出現しにくいと考えられます。心不全の患者さんは、右下で就寝する方が多いといわれるのも、そのような要因が関係していると思われます。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江