コロナで4年間放置された重症OSA
症例
40歳台男性 身長:168㎝ 体重:79.9Kg BMI:28.3 2020年に簡易検査でREI=70回/時間と診断されるもコロナで放置、最近日中過眠やトイレ覚醒などの自覚症状が悪化、治療希望にて診断PSGを行いました。
体位に無関係に呼吸イベントは出現しており、それだけ重症度の高さが示唆されます。目立つのは混合性無呼吸で、中枢部分の長いイベントもありました。(ヒプノグラム上から3段目が呼吸イベントで、緑色が混合性無呼吸)
混合性無呼吸は、1晩の記録では朝方に多く認め、またOSAの未治療放置期間が長いほど多発する傾向があります。本症例はコロナ禍のため、重症OSAが4年間放置されました。また中枢部分の長い混合性呼吸イベントは、心機能の低下とともに多く認めるようになります。まだ本症例は心機能の低下は診断されていませんが、PSGの起床時血圧は169/111(mmHg)と高く、心臓への負担が大きくなっていることが示唆されます。CPAP治療が推奨されますが、中枢性イベントの残存の可能性もあり、導入初期には十分なサポートが必要と思われます。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江