高度肥満でも終夜側臥位で低呼吸イベントのみだった症例
症例
40歳台女性 身長:164㎝ 体重:107Kg BMI:39.8 睡眠時の無呼吸といびきを主訴に来院 。
睡眠時は常に側臥位だったようです。したがって呼吸イベントは非常にあいまいで、flow limitation 波形になっておらず、ループゲイン亢進と思われる不安定な呼吸パターンのなかで、呼吸が減弱すると高度肥満によるdesaturationを伴うことで低呼吸と判定されています。Desaturationさえ伴わなければ、呼吸イベントとは判定できないことになります。朝方になるとわずかな仰臥位時に集中して閉塞性低呼吸を認めています。CPAPは仰臥位で使用いただくほうが、より治療効果が実感できると思われます。
プレッシャーセンサはFlow limitation 波形になっておらず、閉塞性低呼吸とは考えにくい波形です。側臥位のため上気道は閉塞されておらず、呼吸振幅の変動はループゲイン亢進の可能性もあると思われます。高度肥満がなければ、desaturationを伴わず、呼吸イベントと判定されないかもしれません。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江