Clinical Question:便秘症の治療

YUMINO education program2022年05月27日

便秘症の定義: 本来、体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態

便秘症により、生存率低下や静脈血栓症発症リスクがあがるという報告もある。 

「たかが便秘」ではなく、適切な治療介入が大切。

 

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治療に際しては

① 大腸がん(器質性・狭窄性)、内分泌疾患に続発する便秘の除外

② 薬剤誘発性が疑われる場合は変更可能な薬剤がないかの検討

③ 排便回数減少型なのか、排便困難型なのかの判別

上記のうえで、使用する薬剤を決定

 

薬の役割、種類

  • 軟便化

◍浸透圧性下剤  {塩類:ex.酸化マグネシウム、糖類:ex. D-ソルビトール/モニラック(ラクツロース)、ポリエチレングリコール:ex. モビコール)}

◍上皮機能変容薬 {ex. ルビプロストン(アミティーザ)、リナクロチド(リンゼス)}

  • 蠕動運動促進

◍浣腸・坐剤 {ex. 新レシカルボン坐剤、ピザコジル坐剤(テレミンソフト)、グリセリン浣腸}

◍刺激性下剤 {ex. プルゼニド(センノシド)、アローゼン、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)}

  • 膨潤化

◍膨張性下剤 {ex. ポリカルボフィルカルシウム(ポリフル、コロネル)}

  • 軟便化+蠕動運動促進

◍胆汁酸トランスポーター阻害薬 {ex.グーフィス}

 

<まとめ>

  • 患者さんが言う「便秘」という言葉が何を意味しているか、を読み解くことが大切
  • 排便困難型の患者に大腸刺激性下剤を使用していないか確認
  • 排便回数減少型が疑われる場合は食物繊維摂取量を確認し、不足している場合は食事指導、または、コロネル、ポリフルのように膨張性下剤で便の量を増やすことを検討

 

のぞみハートクリニック

萬谷 薫

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