Clinical Question:DT時代を迎えて-在宅医の立場から-
- 心臓移植を必要とする患者さんは増加傾向であるが、本邦の臓器提供の件数は国際的にも低い水準で推移しており移植待機期間は4年に迫ろうとしている。
- 本邦での植込型補助人工心臓(LVAD)の適応は心臓移植を前提とした移植までの橋渡しのみだったが、2021年に移植適応とならない高齢の患者さんなどに対して(移植を目的としない)LVADの使用(DT; destination therapy)が承認された。
- DT治療の承認に伴いLVAD装着症例の増加が見込まれ、LVAD装着期間が長期に及び、LVADの合併症や併存疾患のため通院困難やLVAD装着のまま終末期を迎えることになるケースも増えてくるものと思われる。
- 私たち在宅医はDT患者さんの生活を支えるために高度医療機関と連携し、地域でのネットワークを構築していく必要がある。また、合併症を抱えた患者さんや終末期の患者さんの在宅ケアを実践するという役割も果たしていく必要がある。
ゆみのハートクリニック
武居講