Clinical Question:新しくなった心房細動ガイドラインをいかに臨床に活かすか
1. 心房細動発見を包括的管理のきっかけにする
2. 飲酒・肥満・高血圧・心不全は十分なエビデンスを有する修正可能因子
抗凝固療法やカテーテルアブレーションに注目が集まりやすい心房細動ですが、最も新しいガイドラインでは、早期発見と包括的管理がキーワードになっています。もともと心房細動は、生活習慣や基礎疾患が原因と考えられるものも少なくなく、適切な介入が必要と考えられていました。今回改定されたESCのガイドラインでは、抗凝固療法と適切な症状コントロールに加え、生活習慣や基礎疾患に対する介入が治療の3本柱になっています。言い方を変えると、心房細動発見を包括的管理のきっかけにする、とも言えます。生活習慣の是正や基礎疾患への介入は医師1人でできるものではなく、多職種による多面的で持続的な介入が必要になります。特に、飲酒や肥満などは改善により、心房細動が軽減することが証明されており、積極的に介入すべきと考えられます。
ゆみのハートクリニック
西原崇創