和温療法

2013年02月17日

ゆみのハートクリニックが提供する医療のひとつ

「心不全患者における付加的治療・ケア」

アメリカ心臓病学会の慢性心不全ガイドラインに示されているように、心臓の収縮能が低下した慢性心不全患者には、すでに確立した治療があります。たとえば、症状を有しないが心臓の収縮不全をきたしている症例(stage B)には、薬物治療としてACE阻害薬やβ遮断薬の投与が推奨され、労作時息切れなど症状を有する症例(stage C)には、利尿剤やジゴキシンの追加投与。さらにこれらの薬物治療に抵抗性の症例には、両心室ペースメーカーの適応が考慮されます。これらの確立された治療により、多くの心不全患者の平均寿命が延びました。しかしその一方で、これらの治療がすでに行われているにも関わらず、日常生活に支障をきたす症状を有する難治性心不全患者が増加しているのが現状です。

これらの患者さんに、どのような付加的治療・ケアができるのか。
それを実現するために、当クリニックは設立されました。
これまでの確立された心不全治療に加え、薬物内服治療だけでなく、様々な角度から多角的なアプローチで治療・ケアを可能にすることを目指して。

今回は、そのなかのひとつ「和温療法」についてご紹介します。

和温療法は、1989年より鹿児島大学鄭教授のもと開発されました。
全身を乾式遠赤外線サウナ浴で心身を和ませる・ぬくもり療法です。

和温療法は、まず60 ℃ の乾式遠赤外線サウナ(下図)に15分ほど入り、ゆっくりと全身を温めます。深部体温を約1.0 ℃ ~1.2 ℃上昇させた後に、サウナからベッドへ移動し、さらに30分間横になり、安静保温で和温効果を持続させます。この間、全身の血管が広がり、心臓の負担を和らげます。そして失われた水分を補給し、この療法は終了します。我々のこれまでの経験から、重症心不全患者においても有意な血圧低下なく、安全に使用することができます。

和温療法を1日1回、週2-3回の反復継続により、効果を持続させることができます。

和温療法は様々な疾患に効果があることが、これまで多くの研究報告で明らかになっています。

1)重症心不全
2)難治性潰瘍を伴う閉塞性動脈硬化症
3)慢性疲労症候群
4)シェーグレン症候群に伴う唾液分泌不全
など

特に心不全患者には、全身の動脈・静脈を拡張させ、心臓に対する負担を軽減させることにより、心拍出量が増加したり、自律神経や神経体液性因子の異常を是正、不整脈を軽減したり、心不全患者の不眠、抑うつ状態などを改善し、生活の質の向上させることが言われています。


Waon Therapy


Waon therapy was developed by Professor Tei, University of Kagoshima, in 1989. This therapy soothes and warms both mind and body by Far-infrared radiation low temperature sauna bathing.

Firstly, the entire body is warmed in a far-infrared radiation low temperature sauna bathing for 15 minutes. After the deep-body temperature has increased by approximately 1.0~1.2°C, the patient is moved to a bed maintaining the warmth at rest for an additional 30 minutes. During this time, hemodynamics is improved and decreases the pre- and after load of the heart. At the end, fluids corresponding to perspiration supplied. Our experiences indicate Waon therapy does not significantly decrease blood pressure of advanced heart failure patients and therefore, can be considered as a safe therapy.

Many studies report that Waon therapy is effective for various diseases:

1)Advanced heart failure
2)Arteriosclerosis obliterans with intractable ulcer
3)Chronic fatigue syndrome
4)Hypoptyalism due to Sjogren's sydrome

Especially for heart failure patients, expanding both arteries and veins of the body and decreasing the load to the heart increase cardiac output, correct any malfunctioning autonomic nerves and neurohumoral factors, reduce arrhythmia, improve insomnia and depression leading to better quality of life.

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当院での和温療法についてのお問い合わせ

ゆみのハートクリニック
東京都豊島区高田3-14-29
03-5956-8010
info@yumino-clinic.com

上記文章は、一部以下を参照にしています。

http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~intmed1/waon-therapy/waon01.html

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