服薬が影響したと思われる重症OSAのPSG結果

2025年09月12日

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40歳台 男性 身長:169㎝ 体重:76.6kg BMI:27 ESS:0 

起床時の血圧が高めとなり、胸が締め付けられるような症状もあり、数年前簡易検査で重症の無呼吸ありと言われるも治療せず、無呼吸を放置した結果血圧が上がったのではと、気になって来院されました。再度簡易検査を行い、REI=54.6/時間でCPAPを導入しました。使用開始から1か月弱で改めて診断PSGを行いました。CPAPPSG前夜も使用していましたが、PSG結果はAHI=85.5/時間と簡易検査よりはるかに重症の結果となりました。CPAPの持越し効果は、使用期間が短いため出なかったのかもしれません。驚くのは終夜にわたる高度な酸素飽和度低下です。CT9066.6%であり、睡眠中の4.6時間は、酸素飽和度が90%以下だったことになり、重篤な虚血状態が危惧されます。レム睡眠がごくわずかだったのは、服薬(抗うつ剤)の影響と思われます。PSG開始前に精神科で処方されている、パキシル・デエビゴ・ロゼレム・デパス・レキソタンを服用されていました。

 

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高度な酸素飽和度低下を示した閉塞性無呼吸波形です。呼吸イベントの持続時間が23秒でも、酸素飽和度は71%まで低下しています。高度肥満例ならあり得るのですが、この症例のBMI27でしたので、軽度肥満例でした。なぜこのような高度な酸素飽和度低下を示したのか、それは無呼吸だけでなく、低換気の病態が重畳しているのではないかと考えました。実はPSG開始前に飲酒もされており、服薬+アルコールによって生じた低換気と思われます。

最初の1か月のみのCPAPダウンロードデータでは、80%の使用率でまずまずですが、まだ不慣れなのか、4時間以上の使用率は43%でした。残存AHI3.5/時間とCPAPの効果はしっかりと出ているようです。CPAPを続けることで服薬を調整できれば、最善の結果が得られると思われます。

 

ゆみのハートクリニック

川名 ふさ江

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