眠剤により呼吸イベントが抑制された症例

2025年09月05日

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40歳台 女性 身長:153㎝ 体重:68.4kg BMI:29 ESS:7 

4~5年前から体重が48Kgから68Kgに増加、家族からいびきを指摘され、熟眠感欠如と口渇で来院されました。簡易検査REI=19.4 最低SpO286%で診断PSGを施行しました。結果はAHI=28.5/時間で、レム睡眠を除き閉塞性低呼吸が主体の結果でした。記録前半は側臥位でも低呼吸イベントを認めていますが、長い中途覚醒時に眠剤を服用された後は、仰臥位でも呼吸イベントが抑制されて、深睡眠が記録されていました。

 

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記録前半の閉塞性低呼吸の波形ですが、flow limitation を認めず、SpO2の回復も緩やかで、上気道の狭小化は少ない印象です。ループゲインの亢進、あるいは覚醒閾値の低下が呼吸イベントの要因と思われました。そして眠剤を服用された後は、覚醒閾値が上昇、呼吸イベントが抑制されて、仰臥位でも深睡眠に移行できたと思われます。このような、上気道の狭小化が少なく、ループゲインの亢進が示唆され、覚醒閾値が低い症例は、AHIは高くてもCPAPに適応しづらいことがあります。CPAPは比較的低圧で、圧が上がりにくい機種を選択、特に導入初期は、綿密な対応が必要と思われます。

 

ゆみのハートクリニック

川名ふさ江

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