αδsleep波形を認めた軽症SAS症例
40歳台 男性 身長:172㎝ 体重:74 kg BMI:25 ESS:10点
社内健診で簡易検査を2回行い、REI=18.7と10.2の結果で当院を受診されました。
いびき指摘もあり日中の眠気も自覚されているので精査目的に診断PSGを行いました。
AHI=8.7回/時間と簡易検査より軽症となりました。側臥位の就寝時間が長かったことが、軽症化した要因と思われます。
ただノンレム睡眠の安定呼吸時のSpO2は93%で推移しており、BMIは高くないので、アルコール摂取による筋弛緩作用が影響していたと考えられます。毎日過剰な飲酒の習慣がある方で、PSG前にもかなりの量を飲まれていました。
そして睡眠脳波は入眠してもα波が目立ち、入眠判定が困難でした。
入眠直後の脳波です。F3・F4優位にα波とδ波が混在していることがわかります。この波形の中からSpindleを検出するのは難しいことがわかると思います。Kcomplexもα波が重畳しています。
Αδsleepはエビデンスがはっきりしないのですが、断眠後の睡眠脳波に一過性に認めることや、慢性的な睡眠不足でも認める傾向があるようです。この症例の睡眠時間は6時間とやや短く、睡眠不足であることは否定できません。