PSGで発作性心房細動が見つかった症例
症例
50歳台 男性 身長:170㎝ 体重:79.3kg BMI:27.3 ESS:12点 40歳代後半からいびき指摘され、日中過眠を自覚するようになったとのことです。会社の健診で簡易検査を施行したところ、REI=7.9回/時間と軽症の結果でしたが、SpO2最低値が81%と低値だったため、産業医の紹介で診断PSGを行いました。
PSG当日に立ち眩みのような症状を訴えられていました。結果は、大半が仰臥位でしたがAHI=20.1回/時間と中等度の睡眠時無呼吸あり、レム依存の強いタイプですが、レム睡眠でも側臥位では、呼吸イベントが抑制されていました。HR(心拍変動)のトレンドを見ると、記録前半に10数回の急激は心拍上昇を認めており、心電図波形を確認すると発作性の心房細動が記録されていました。
心拍の急上昇を認めた部分の波形(5分画面)です。赤矢印部分が心房細動となっています。
30秒画面にすると心房細動波形となっています。発作性心房細動に伴う心拍出量の低下が、めまいの症状を起こした可能性があります。 本症例は簡易検査ではREIが低値で、産業医の勧めがなければPSGまでやらなかったかもしれません。結果的には中等度のSASがあり、立ち眩みの原因も判明したことになります。PSGは単に無呼吸を診断するだけでなく、睡眠中の不整脈発見のツールとしても有用であるといえます。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江