若年者でBMIが低値にもかかわらず重症のOSA症例

2024年08月23日

症例

20歳台男性 身長:180cm 体重:66Kg BMI:20.4 ESS:2 15歳ころからいびき・無呼吸を指摘され、耳鼻科にて簡易検査でREI=23.3と診断され、紹介受診されました。スクリーンショット 2024-08-29 120341.png

診断PSGの結果はAHI=31.3回/時間と重症の結果となり、BMIが低値にもかかわらずSpO2は大きく低下しています。入眠前と中途覚醒時に2回眠剤を服用されています。1回目の服薬後の入眠時の呼吸イベントは、まるでレム睡眠時のようにOAやOHイベントのSpO2が、呼吸再開してもベースに戻らず、低下を繰り返しています。これは呼吸イベントに低換気がオーバーラップした状態と考えられます。また中途覚醒後、右側臥位で深睡眠になった時には、SpO2が86~87%で推移していました。センサーのアーチファクトを考えましたが、装着状態に問題ないことを夜間技師が確認しています。朝方右側臥位になった時にも、90%前後の持続的なSpO2低下を認めました。 



スクリーンショット 2024-08-29 120404.png

入眠期の閉塞性無呼吸と閉塞性低呼吸波形です。イベントの持続時間が長いためSpO2低下も高度で、呼吸再開しても回復は92%前後です。肥満OSA症例では、低換気が重畳しやすいレム睡眠期にこのようなSpO2変動が観察されますが、本症例はやせ形のOSAでした。 



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朝4時頃に認めた混合性無呼吸波形です。中枢部分が長く、これもループゲインの亢進を示唆する波形です。このような波形が観察された場合、CPAP治療では中枢性無呼吸が誘発されやすく、CPAP圧の急激な上昇には注意する必要があります。オート設定の場合は、圧上昇がマイルドな機器を選ぶことが推奨されます。 



ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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