Clinical Question:心房細動の包括的管理
(European Heart Journal (2020) 42, 373―498より)
ESCガイドラインにおいて心房細動に対する包括的管理が推奨されている。包括的管理は、下記のCC to ABC pathwayに基づいて行われる。
Confirm AF(確定診断)
心房細動との確定診断には
「標準的な12誘導心電計または単極の心電計による30秒以上の記録において、P波の反復を認めずRR間隔が不整である場合に心房細動と診断する」が推奨されている。
Characterize AF(臨床的特性の系統的把握):4S
「Stroke risk(St)」
心房細動に伴う脳卒中リスクの評価
「Symptom severity(Sy)」
症状の程度をEHRAのスコアやQOL質問票で評価
「Severity of AF burden(Sb)」
発作性か持続性かを含めた心房細動の持続時間
「Substrate severity(Su)」
心房細動を発症・進展させる要因となる心筋の状態や心血管系の危険因子を評価
Treat AF (治療方針):ABC pathway
Anticoagulation/Avoid stroke 脳梗塞を防ぐ
Better symptom control 症状を緩和する
Comorbidities/Cardiovascular risk factor management 生活に介入する
<まとめ>
心房細動を有する患者を診ることにおいて最も重要なこと
①「診断し、治療する」ではなく「管理する」ことであるということ。
②管理は多職種チームが患者を取り囲むかたちで行うこと求められている。
のぞみハートクリニック
藤井 昭