Clinical Question:腰痛診療のポイント
・red flagsを見落とさない。
・非特異的腰痛の中にも、痛みの原因を診断することで、生活の質を改善しうる腰痛がある。
腰痛で見落としてならないのは、腫瘍、感染、骨折などが原因となる緊急性の高い疾患群で、いわゆる"red flag sign"を有するものです。また、脊髄や神経根に沿った神経症状を認める椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症も、神経学的所見、MRIなどを行い治療します。
一方で、その他の慢性腰痛は、非特異的腰痛と一括りにされる傾向がありました。鈴木らは非特異的腰痛をより詳細に検討し、上記表のごとく原因分類が可能であったと報告しています。これらの腰痛は深刻な病態ではありませんが、生活の質を低下させ、フレイルを進行させる大きなファクターです。適切なリハビリテーションやブロック注射などで痛みから解放される可能性もあり、漫然と鎮痛薬や湿布剤で経過を見るのではなく、病態を見極めることが大切です。
ゆみのハートクリニック
吉本明子