重症SASとPLM合併例の低呼吸とPLMの鑑別

2025年05月30日

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50歳台 男性 身長:176㎝ 体重:87.9kg BMI28.1 ESS:7点 

以前よりいびきの指摘あり、会社の健診で簡易検査を施行したところ、REI=29.8/時間でPSGによる精検目的に紹介受診されました。

AHI38.4/時間と重症の無呼吸がありました。

呼吸イベントは閉塞性無呼吸と低呼吸が主体で、レム睡眠時およびノンレム睡眠では仰臥位時に、呼吸イベントが集中していたことがわかります。

レムAHI57.2/時間、仰臥位AHI51.4/時間でした。体位依存性のある無呼吸症でした。

最も判定に苦慮したのかPLMと低呼吸イベントの鑑別です。

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仰臥位時の波形です。PLMが認められ、すべてに覚醒反応を伴っています。

desaturationを伴うこともあったりなかったりで、ここはPLMとして判定するのか閉塞性無呼吸として判定するのか悩むところです。いろいろな鑑別方法があり、胸腹の呼吸努力センサの位相のずれの有無で判断することは、理論的な正しいのですが、この症例は腹ベルトのゆるみから、呼吸努力の位相が不明瞭になっています。

そこで体位依存性が明瞭なタイプでしたので、仰臥位だったことから、閉塞性無呼吸としました。

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これは伏臥位のち左側臥位の時の波形です。PLMと判定し、覚醒反応も伴っています。

前の波形同様に低呼吸としてもよいのかもしれません。ただ幸いこの部分の腹ベルトはしっかりと位相が確認できて、胸腹が同位相であること、そしてなにより体位が仰臥位ではないことも判断材料となりました。

オレンジ色のdesaturationも認めていますが、これは呼吸イベントに伴うものではなく、低換気に伴うdesaturationと考えました。

過去に喫煙歴のあるかたで、またBMIもやや高いためと思われます。

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