不眠を主訴に受診されたBMI=38.1の症例

2025年05月09日

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50歳台  身長:176㎝ 体重:118kg BMI38.1 ESS:16 不眠を主訴にメンタルクリニックを受診され、複数の眠剤を処方されるも改善なく、2年前には簡易検査を他施設で受け、REI=15.1でマウスピース治療を勧められるも、不眠が改善せず放置されたとのことでした今回高血圧もありその治療も含めて当院を受診されました。診断PSGを行ったところ、終夜大半が右側臥位でしたが、AHI=50.3回と重症の無呼吸症でした。ノンレム睡眠の側臥位では1部安定した睡眠が記録されていますが、側臥位でもこれだけ重症であれば、日中の眠気が強い(ESS=16)のも当然といえます。しかし夜間の不眠を訴えて眠剤の処方を求めるという矛盾した行為は、日中過眠による活動量低下に伴う不眠、あるいは無呼吸に伴う中途覚醒を不眠と思い込むといった状況が考えられます。ここはCPAP治療で夜間の睡眠を確保し、日中の活動量を上げることで、不眠の解消にもつながると思われます。 

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PSGの記録時も消灯前に眠剤2種を内服、ひと眠りされて中途覚醒時にさらに1種の眠剤を追加で服用されました。その後再入眠したときの右側臥位時の呼吸イベント波形です。右側臥位なので気流センサー(鼻圧)はflow limitation にはなっていませんが、覚醒反応とdesaturationはしっかりと伴っています。これらの覚醒反応や中途覚醒がCPAPで改善されれば、眠剤も離脱できると思われます。その後の経過はCPAPタイトレーションデータを含めて、改めて報告いたします。 

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