マウスピース治療のフォローアップ症例
症例
60歳台 男性 身長:169cm 体重:72Kg BMI:25.2 ESS:8 7年前に家族からいびきと無呼吸を指摘され診断PSGを行い、AHIは26回/時間、最低SpO2は80%で、BMI低値と小顎のためマウスピースを作成しました。
マウスピース使用下のPSG結果は10.9回/時間、最低SpO2は84%でした。今回7年経過してマウスピースの現状評価目的にPSGを行いました。残存AHIは10.7回/時間と前回とほぼ同様の結果でした。ところが最上段のSpO2トレンドからもわかるように、ベースのSpO2値が低値で推移していることがわかります。
深睡眠時の安定呼吸とSpO2の持続的な低下(91%で推移)
実際にレポートではSpO2の平均値は覚醒時で90%(前回91%)、ノンレム睡眠で91%(前回94%)、レム睡眠で89%(前回93%)であり、前回もSpO2のベース値は低かったのですが、今回はさらに低値となっていることがわかりました。なにより気になるのは90%以下のSpO2低下時間です。前回は総睡眠時間の1%(3分強)でしたが、今回は18.2%(50分強)となっています。診断時からベースのSpO2値は低かったのですが、さらに増悪しているようです。7年前より体重は2.4Kg増ですが、肥満というほどでもなく、喫煙歴はありますが禁煙後14年経過していますので、原因を精査したほうが良いのかもしれません。ただ1点注意すべきは、7年前とPSGの測定装置が異なることです。パルスオキシメータは装置によって移動平均等の設定が異なり、機器間の測定誤差も考慮する必要があります。
ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江