研修医地域医療研修/D医師
ゆみのハートクリニックを選んだ理由
私が初期研修を行っている病院は一ヶ月間地域医療実習があり、自由に大学病院を離れて小規模の医療機関で地域密着型の医療体制を学ぶ期間がありました。診療情報提供書にゆみのハートクリニックの名前を目にすることが多くなり、開業5年足らずの在宅診療所で、どうしてこれほど多くの患者を診ているのか前々から気になっていたこともあり、研修先として選択しました。
研修内容
一か月間の研修では、往診カーに乗って往診にご一緒し、一軒一軒のお宅を訪問しました。介護人の数や状況、患者の介護度やトイレや手すりの位置などのバリアフリー化を含めた設備など、生活環境や社会的背景の把握をします。在宅診療においては、介護者の役割が患者管理に大きく影響し、家庭によりそのキャパシティも異なります。これが入院患者とは大きく異なる点です。往診を通して私が感じたことは、通常の医療機関におけるものよりもサービス色の色合いが強いという事です。社会的背景の異なる患者の家庭に踏み込むことが、それぞれに合ったオーダーメイドな医療を提供していくことを可能とします。
診療はバイタルの測定、採血、必要時には心エコーと心電図の測定、バルーンや胃管の処置を行い、採取された患者情報や診療記録は電子カルテ上にアップされ、医療スタッフ間で共有されます。また、ご家族の方にわかりやすいように別途にレポートが配布されます。これにより患者に一番近い介護者が医療に介入しやすくなり、モチベーションの維持にもつながるようです。
研修を終えて
大学病院の外来しか経験したことのない私にとっては、ゆみのハートクリニックの在宅医療は、今までの在宅診療の常識を覆すものでした。在宅医療とは保存的療法がメインであり、ある程度のところでしのぎつつ、最終的には中から大規模の医療機関に患者をパスするプール機関、という認識を私は持っていました。しかし、実際に現場に行ってみると、医療スタッフ間での綿密な情報共有を基盤として、むしろかなりの積極的な診療を行っていました。特に循環器管理に習熟した医師による薬剤調節を含めた細かなフォローなどには驚かされました。大学病院で出来る医療をそのまま提供する在宅医療を目指して、という言葉が非常に印象的でした。また、医師だけではなくPTやOTをはじめとしたリハ、看護師などのコメディカルのレベルが非常に高く、医療知識と積極性を含めた、医療人としての高いプロ意識を感じました。
クリニックは今も着々と拡大しており、時代の先端を行く新しい在宅医療の成長過程の一端をみることができ大変光栄に思います。