書評掲載のお知らせ
聖隷浜松病院 循環器科の齋藤秀輝先生と、神戸大学医学部附属病院 総合内科の官澤洋平先生が執筆・編集された『病みの軌跡を意識した 患者に寄り添う心不全診療-薬物療法・非薬物療法から緩和療法・ACPまで-』に、当法人理事長の弓野が書評を寄稿しております。
近年、「心不全パンデミック」の時代といわれるように、高齢化の進展に伴い、心不全患者数は今後も増加すると予測されています。これまでのように急性期病院の循環器専門医のみが心不全診療を担う時代から、総合診療医やかかりつけ医を含め、地域全体で心不全患者さんを支えていく時代へと変化しています。
また、薬物療法に関するエビデンスの蓄積や非薬物療法の進歩により心不全診療は高度化する一方で、高齢化に伴うmultimorbidity(多併存疾患)への対応や、患者さん一人ひとりの価値観や生活背景を踏まえた意思決定の重要性も高まっています。個々の症例に対して、どのように治療を組み立てていくか。この視点は、当法人が大切にしてきた「医を通してその人らしい人生を」という理念にも通じるものです。
本書では、最新のエビデンスやガイドラインの解説にとどまらず、高齢化社会の現実として避けて通れない多併存疾患への対応、多職種連携、在宅療養支援など、心不全患者さんを包括的に支えるための実践的な知見が豊富に紹介されています。
患者さんの人生全体を見据えた心不全診療の実践知が随所に散りばめられており、循環器専門医のみならず、総合診療医、在宅医療に携わる医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職など、多職種で心不全患者さんを支えるすべての医療者にぜひ手に取っていただきたい一冊です。
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