「これが正しい」という固定観念を持たず、 患者さんやご家族、スタッフと対話を重ね 一人ひとりに寄り添いたい。
大学卒業後、病院のCCUに5年間従事。生と死が隣り合わせにある環境の中で、「自宅で看取ればよかった」というご遺族の言葉をきっかけに在宅医療の分野へ興味を持つ。YUMINO入職後はゆみの訪問看護ステーションで勤務。前職で積み重ねた循環器に関する知識や経験と、持ち前の対話力・吸収力を生かして、訪問看護事業の中核を担う存在となっている。
「ご自宅で亡くなる」ことの難しさを実感し、
スピード感のある訪問看護に魅力を感じて入職。
前職ではCCUのスタッフとして働いていました。当時意識していたのは、とにかく患者さんの心臓を止めないこと。そしてスピード感も求められるので、ある程度マニュアルに沿って、滞りのない対応をすることを第一に考えていました。そんななかで、ある患者さんのご遺族が「搬送されてもすぐに亡くなってしまうのなら、家でそのまま看取ればよかった」とおっしゃっていたことが心に引っかかったんです。「家では死なせられないから」という理由で患者さんをCCUに搬送するよう希望されるご家族も多く、そのような状況を目の当たりにしていると、日本では自宅で亡くなることのハードルが高いということを感じました。
それを機に在宅医療の分野に興味を持ち、循環器疾患に関わる訪問看護に携わりたく、転職を志しました。心不全では初期対応が重要ですが、訪問看護をやっている知人から「循環器内科クリニックの傘下の訪問看護ステーションなので、対応にスピード感がある」と聞いたことがきっかけで、YUMINOへの入職を決めました。ゆみの訪問看護ステーションで実際に働いてみても、医師との連携体制がしっかりしているので、迅速な対応ができていると実感しています。
入職して2か月くらいは先輩看護師と共に患者さん宅へ訪問して訪問看護のノウハウを学び、1人立ちしてからも訪問先で困ったことがあったら電話やICTツール(Microsoft Teams、MCS、slackなど)を積極的に活用し、その場ですぐに相談しています。訪問看護に関わるのは初めてでしたが、研修やその後のフォローも充実しているので、安心して業務にあたることができています。
在宅医療の魅力は、一人ひとりに寄り添った
YUMINOに入職後は、物事を考える幅が広がりました。CCUにいた時は、患者さんやご家族には医師から治療方針を説明するのが基本でした。現在は、患者さんの現状と今後の治療方針、ご自宅でできる治療と病院でなければできない治療の違いなど、細かいことを看護師から説明し、そのうえで病気とどう向き合うかという議論を、患者さんとそのご家族や、院内の医師・理学療法士・ソーシャルワーカー、地域のケアマネジャーやヘルパーなどと日々交わしています。自分なりに考えたことを他職種に伝えたうえで、その時の最善の提案を患者さんにできるのが魅力です。ただ、在宅医療では介護するご家族の負担が大きいと改めて感じました。それが、前職で感じた「自宅で亡くなる」ことの難しさにつながっているのだと思います。様々な地域医療関係者と連携し、ご家族のケアも大切にしていきたいです。
意見交換の場で意識しているのは、「これが正しい」という固定観念を持たないこと。在宅医療においては、病院ではあまり見ない内服方法などもありますが、それは患者さんがご自宅でどう過ごしたいかを一番に考えたうえでの結果です。一人ひとりのLIFEに寄り添ったオーダーメイドな対応ができるのは、患者さんにとっても医療者にとっても大きな魅力と感じています。担当の患者さんで、12月にお看取りを目的に退院された方がいらっしゃるのですが、その後心不全コントロールもついてリハビリも順調に進み、翌年3月には誕生日会を開くこともできました。住み慣れた環境で療養することの大切さを認識したとともに、「あなたがいるから頑張れる」と言っていただけて、訪問看護のやりがいを実感しました。
会話でのコミュニケーションを大切にする職場。
未経験の分野にチャレンジする場合でも安心です。
YUMINOの訪問看護事業はどんどん規模を拡大しており、現在15名以上のスタッフが在籍しています。みな仲が良く、対話を重視する人が多いのが特徴です。昼休憩のためにステーションに戻った時や、訪問を終えて帰った時など、その日対応した患者さんの様子を口々に報告し合うんです。看護師は訪問エリア内で2チームに分かれているものの、担当エリア外に行くこともよくあるので、いざという時のために事前情報があった方がよいですし、多様な症例を知ることができるので勉強になります。
YUMINOでは、看護師間はもちろん、他職種でもコミュニケーションを大切にする方ばかりなので、何かを尋ねられた時、自分の意見をちゃんと伝えることが重要だと感じています。自分はYUMINOに来てから訪問看護の経験を積んでおり、最初は戸惑うこともありましたが、周りのサポートも手厚く、自ら吸収しそれを発信していく姿勢があればそれを応援してくれるので、未経験の分野にチャレンジしたいという思いがある人にとっては素晴らしい環境だと感じています。