垣根を越えて、できることはどんどんやる。 医療事務の立場から、社会を支えたい。

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A. S.
医療事務
訪問診療
2018年入職
整形外科での長年の勤務を経て、訪問診療の医療事務へ

在宅診療部にて、患者さんと医療スタッフを繋ぐ医療事務に従事。一本の電話が命に関わるファーストコンタクトとなり得ることを意識しながら、日々緊張感を持って仕事に臨み、まだ訪問診療が広まっていない大阪で自らの経験を生かして、より多くの方が在宅で安心して過ごせる未来を作り出したいと考えている。

仲良くしていた患者さんが急に来なくなって、
自分にできることはなかったかと考えた。

前職の整形外科での受付業務では、毎日のように来院されるご高齢の患者さんたちとお話しする機会が多く、自然と仲良くさせていただいていましたが、中には急に来なくなる方もいらっしゃいました。風の便りでお亡くなりになったと耳にすることもあり、「亡くなるまでどのように過ごされたのだろう」「入院されたのか、それともご自宅で療養されたのかな」など、患者さんの生活を想像するようになりました。

より生活に寄り添った医療のサポートができる仕事に従事したいという思いが湧き、生活の場で行う訪問診療に興味を持ちました。そんな折に、近くで訪問診療を行うクリニックが開院するという求人情報を目にしました。住み慣れたご自宅での療養生活に関わることは、自分自身の抱いていた関心と重なる部分が多く、YUMINOへの転職を決めました。

声のトーンを聞き分け、安心していただける応対を。
一本の電話が命に関わるという重みを実感。

在宅診療部では、訪問診療の患者さんの電話応対や、診療報酬明細の作成などを行っています。医師や看護師、理学療法士、ソーシャルワーカー、訪問診療コーディネーター、ドライバーなど様々なスタッフと密にコミュニケーションを取って、患者さんと医療スタッフをつないでいく仕事です。

心臓の疾患をお持ちの患者さんが多いYUMINOでは、一本の電話が急を要し、重要なファーストコンタクトになる場面が多いため、声のトーンやお話の内容から状況を察することができるよう、しっかりと「傾聴」することを心掛けています。お伺いした内容は、できるだけ脚色せず、先入観を持たずにスピーディーに伝達することが重要です。当院には、管制塔看護師という、患者さんと医師や医療スタッフを繋いでテレナーシングを行う看護師がいますが、他の電話に出ていてすぐお繋ぎできない場合には、できる限りの落ち着いた応対を行い、少しでも安心していただけるよう心掛けています。このような日常の業務を通じて、自分の仕事が命に密接に関わっていることを実感しています。

事務スタッフも医療者と同じ目線を持つことで、
訪問診療を支える社会資源になっていきたい。

毎朝、さまざまな職種のスタッフが、患者さんの状態をどうしたらより良い方向に持って行けるかについて活発にディスカッションを行っています。職種による垣根は全くありません。私たち医療事務の仕事は、一般的には診療点数を計上して、レセプトを作成することがメインですが、YUMINOには、やってみたいことがあれば、枠を超えてチャレンジする雰囲気があり、私自身も何かできることがないか意識するよう心掛けています。これまでの外来事務では1回の診療ごとに算定業務が完結していましたが、在宅医療の医療事務は1か月を通して診療費を計上していくため、患者さんの病状の経過にも関わっています。その中で自分なりに感じ取った患者さんの情報を管制塔看護師に伝えたり、カルテからは読み取れないことを直接、医師に確認したり、事務の立場から貢献できることを行っています。

また、拠点同士の連携も活発で、毎月、東京と大阪でオンラインミーティングを行い、必要に応じて訪問診療の情報や算定について分からないことを問合せし、情報共有するなど連絡を取り合って知識を深めています。人材育成の環境も整っているので、医療事務の経験がなくても、接客の経験などからコミュニケーションを取ることが得意な方は大いに力が発揮できると思います。私自身も今後の社会情勢や環境の変化にも柔軟に対応し、様々な場面で力を発揮できる人材になっていきたいです。医療者ではありませんが、医療者と同じ視点で、患者さんを支える社会資源の一つとして役立ちたいと考えています。