ずっと、この仕事がしたかった。 患者さんの目標を叶えたいという想いが 毎日の原動力。
大阪・のぞみハートクリニックで、訪問リハビリテーション部の立ち上げからYUMINOに参画。リーダーとして、「生活の場でのリハビリテーションの重要性」を、院内はもちろん、地域へ訴求する活動を行っている。患者さん一人ひとりとの対話を大切にしながら、住み慣れた環境だからこそ実現できるリハビリテーションを提供している。
「その人らしく生きられる場所」で寄り添いたい。
ずっとやりたかった訪問リハビリテーションの仕事へ。
以前は大学病院で主に心臓リハビリテーションに従事していました。心不全は、再発を繰り返す病気と言われていますが、適切な運動や食事などの生活習慣を見直すことで再発を予防することができます。病院でのリハビリテーションでは、患者さんのご自宅での生活が見えないことにサポートのしづらさも感じていました。そんな折、患者さんと一緒に、点滴をした状態のまま退院できるかご自宅の確認に立ち会う機会があり、その際、久しぶりにペットに会った患者さんのとても嬉しそうな笑顔に心を打たれました。住み慣れたご自宅が、最もその人らしくいられる場所だと感じ、訪問リハをやりたいという思いがより強くなりました。YUMINOの在宅での取り組みは学会等で知っていたので、大阪ののぞみハートクリニックで訪問リハビリテーション部が開設されると知り、迷わずYUMINOに入職しました。
ご自宅で行う訪問リハビリテーションでは、一人ひとりの生活環境に合わせたサポートができます。足腰の力をつけることに加え、手すりの設置や段差を解消する「環境調整」も重要になります。また食事や服薬・睡眠状況もより把握しやすいので、患者さんに合わせたアドバイスもしやすくなります。在宅でのメリットを感じながら患者さんをサポートしています。
患者さんが大切にしていることを尊重しながら、
病院なら我々が"ホーム"で、そこに患者さんが来院しますが、在宅医療は、患者さんの生活がメインで我々が"アウェイ"の立場でお伺いすることになる、たとえば「ここに手すりを付けたら楽ですよ」とお伝えしても、その場所がペットの居場所ならやめておこうというように、患者さんの大切にしていることを尊重するように気を付けています。また、日々のリハビリを継続して取り組んでいただくために、目標設定を重視しています。患者さんの中に、ほとんど歩けない状態だったお寺の元住職さんがいらっしゃり、「車椅子でもいいから、本堂に上がってお勤めをしたい」という希望をお持ちでした。お寺の中は段差が多く、移動が難しかったのですが、なんとかその望みを叶えようと、車椅子の乗り移りの練習に加えて看護師やケアマネ―ジャーなどの複数のスタッフが日程を調整し、スロープや車椅子の昇降機、手すりを設置し、息子さんにも手伝ってもらって、ついに本堂でのお勤めが実現しました。奥さんが涙を流して喜んでくれていたのは忘れられません。
YUMINOのリハスタッフはみな、重症な患者さんでも断ることなく、その人らしさを大切にしたいと考えています。それぞれの方の症状や生活、背景に合わせて目標設定を行い、一つずつ達成することでより良い状態へ導き、その人らしい人生をサポートできることはとても嬉しいことだと思いますし、やりがいを感じますね。
今後の目標は、大阪で在宅療養に関わるスタッフと
勉強会を開くこと。
YUMINOでは、医師や看護師、ソーシャルワーカー、医療事務などの多職種が同じフロアで仕事をしており、距離が近いのが特徴です。リハスタッフは定期的にご自宅へ伺い、生活活動の状況を見て、医師や在宅医療管制塔センターでテレナーシングを行う管制塔看護師との情報共有を大切にしています。管制塔看護師は患者さんの状態変化なども相談でき、判断を仰ぐことができるので心強い存在です。
また、YUMINOではITツールも活用しながらスタッフが連携して、チーム医療で患者さんを支えています。就労環境も整っていると思います。リハビリスタッフにもノートパソコンが配備されているところはあまりないと思いますが、全員に支給されているパソコンやiPhoneのおかげで、院内のシステムにどこからでもアクセスでき、カルテ入力や各種書類作成、会議の参加、マネジメント業務を在宅で行うことが可能です。まだ子どもが小さく保育園への送迎をしているので、直行直帰できる点も、働くうえで大変助かっています。
今後の目標として心不全患者さんの在宅ケアのニーズが高まる中、地域全体でより良いケアが行えるように、地域での勉強会を開いていきたいと考えています。広くノウハウを共有して、地域の在宅スタッフや心不全患者さんの訪問リハビリテーションの発展に貢献していきたいです。