より多くの方が、ご自宅での日常を 過ごせるように。管制塔看護師という 新しい仕事を極めていきたい。

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Y. M.
看護師
在宅医療管制塔
2017年入職
総合病院ICUでの
長年の勤務を経て現職へ

ICUの看護に長年従事した後、管制塔看護師というまったく新しい職種に挑む。医療チームと患者さんをつなぐテレナーシングは、状況を把握する洞察力や、冷静沈着な判断力、そして高いコミュニケーション能力が求められる。チームの要として在宅医療の現場を支える頼もしい存在です。

「退院後の生活が知りたい」。
患者さんを想う気持ちから在宅医療の世界へ。

前職は総合病院に8年半勤務し、外科のICUで手術後の患者さんへの看護を行っていました。長い時間を過ごすうちに、緊急手術で一命を取り留めたものの後遺症が残ってしまった方や、介護する家族がいない方など、様々なケースに出会って、「退院後、どのように生活しているのだろう」と考えるようになりました。

そんな頃、日勤が終わってから参加した地域の勉強会で、弓野理事長の講演を聞く機会がありました。それは当時の私にとってインパクトのある内容でした。カテコラミンの点滴をしながら在宅療養している患者さんの事例を知り、ご自宅での管理を行っていることに驚きました。勉強会の後、YUMINOなら、家に帰りたい患者さんの想いを叶えられるのではと思い、転職を決めました。当時はまだまだ経験不足なことも多く、在宅の現場で通用するか不安もありましたが、先輩看護師がマンツーマンでついて丁寧に教えていただけたので、少しずつ仕事を覚えてくことができました。

管制塔看護師として、患者さんの窓口に。
テレナーシングで多職種のスタッフと連携。

現在は「管制塔看護師」という、まだあまり一般的ではないポジションの仕事を担っています。「ゆみの在宅医療・管制塔センター」では、患者さんが安心して在宅療養を継続できるよう、看護師を中心とした医療スタッフが遠隔サポートを行っています。看護師は、センターで患者さんの状態をモニタリング、状態の変化に逸早く対応し、テレナーシングによる介入を行っています。

緊急性が高い場合は、医師と連携し、往診に向かってもらうなど、常に迅速な状況判断が求められます。緊張感の高い仕事ですが、周りには常に相談できる看護師、医師、医療ソーシャルワーカーがいてくれる環境ですので、一人で抱えるということはありません。また、電話での対応が中心になるので、実際に対面しているときと同じような安心感を患者さんに与えられるように心がけています。より多くの在宅療養を送る患者さんを、医療者が適切な距離で見守り、すぐに医療者に繋がる体制を作っていくという観点からも、とても有効に機能していますし、今後もますます必要とされると感じています。看護師の新しい働き方の一つとしても、この管制塔看護師には可能性を感じています。直接的なケアをしないのは寂しいなと感じることもありますが、「最近、話してないからかけてみたよ」と電話をくれるおばあちゃんがいらしたり、医師から、自分が対応した患者さんの状態が良くなってきたと伺うと、チーム医療の窓口としての仕事にやりがいを感じます。

その人らしい毎日が過ごせるよう、
「予防」という視点からも医療を掘り下げていきたい。

YUMINOでは患者さんがその人らしく過ごせるよう、スタッフがそれぞれの専門的な視点からサポートしています。ご家族の中で、在宅療養を続けるか、入院するかについて意見が分かれてしまう場合などは、医師はもちろん看護師、リハスタッフ、ソーシャルワーカーなどがそれぞれの立場から話し合い、全体像を捉えたご提案ができるように努めています。多職種間でタッグを組んだチーム医療から学べることはとても多く、専門性の高い仲間たちから日々刺激を受けながら仕事をしています。

個人的には今後、「予防」という視点でも、医療を掘り下げていきたいです。外来と訪問診療を行う当院では、長期にわたって患者さんとお付き合いさせていただくケースが多いのですが、その時々の症状への対処だけではなく、可能性のある病気を未然に防ぐ、予防を意識した医療を提供していくことで、患者さんがご自宅で少しでも長く、健やかに過ごせることにつながるのではないかと考えています。訪問診療を支えている管制塔看護師として、様々な知見を増やして、より多くの患者さんに対応できるように向上していきたいです。